[PR] 本記事にはアフィリエイト広告を含みます。紹介する内容は、シミュレーターの計算前提や比較検討の一例であり、特定の商品・サービスを推奨するものではありません。
共働き夫婦の場合、「世帯の資産」としてひとまとめに管理している家庭は多いのではないでしょうか。NISAもiDeCoも、気づけば夫婦それぞれの口座に積み立てているけれど、それぞれの残高や生涯枠の使用状況までは把握していない――というケースは珍しくありません。
この記事では、共働き夫婦のFIRE計画に特有の論点を整理したうえで、退職タイミングの違いによって資産がどう変わるのかを、資産シミュレーターで実際に試算した結果とあわせて見ていきます。
この記事の結論
- NISA・iDeCoは個人ごとの制度なので、世帯合算ではなく夫婦それぞれの残高・生涯枠で管理したほうが精度が上がる
- 同じ出発点でも、どちらがいつ退職するかによって将来の資産は大きく変わる
- 資産シミュレーターで検証したところ、夫の退職を2年延ばすケースでは、90歳時点の資産が完全同時退職のケースの1.4倍程度になった
- 妻がパートで働き続けるケースも、完全リタイアと2年延長の中間的な結果になった
- 資産の増減だけでなく、モンテカルロ試算(1,000通り)で見る破綻確率も、退職タイミングによって大きく変わる
共働き夫婦のFIRE計画で見落としがちなこと
共働き夫婦の場合、世帯年収や世帯資産は把握していても、「誰の口座に何が入っているか」までは曖昧なまま、というケースが少なくありません。
特に見落とされがちなのが、NISAの生涯投資枠(1,800万円)です。この枠は世帯ではなく個人ごとに設定されています。世帯合算で資産管理をしていると、実は夫婦どちらかの枠だけに投資が偏っていた、あるいは気づかないうちに生涯枠に近づいていた、ということも起こり得ます。iDeCoの受け取り方(一時金か年金か)や、退職所得控除の計算に使う勤続年数も、当然ながら個人ごとに異なります。
NISA口座は夫婦それぞれで開設する必要があるため、金融機関選びも個別に検討するとよいでしょう。[PR] NISA口座開設先の一例として、松井証券の情報はこちら

もうひとつ見落とされがちなのが、「どちらが、いつ退職するか」という論点です。単身者であれば退職タイミングは1つの意思決定ですが、夫婦の場合は選択肢が増えます。
- 夫婦ともに同じタイミングで完全に退職する
- 一方が数年長く働き、もう一方は先に退職する
- 一方が完全退職ではなく、パートなど緩やかな働き方に切り替える
ここから先は、実際に資産シミュレーターで試算した結果を見ていきます。
ここまで読んで「うちの場合、どちらが何歳まで働くと安全なんだろう」と思った方は、一度試算してみてください。
資産シミュレーターで検証:共働き夫婦のケース
今回は、38歳・36歳の共働き夫婦(仮名:中村さん夫婦)のケースで検証しました。
基本条件
- 夫:38歳、手取り480万円/年、58歳での退職を希望
- 妻:36歳、手取り355万円/年、56歳での退職を希望
- 世帯資産:2,200万円(NISA・iDeCo・特定口座・現金、夫婦それぞれの口座に分けて設定)
- 子ども2人の教育費・住宅ローン・親の介護費・退職金を織り込み済み
今回比較するのは、次の3つの働き方です。
- 夫婦ともに完全退職する(パターンA)
- 夫だけ2年長く働く(パターンB)
- 妻がパートを続ける(パターンC)
どのケースが資産を最も残せるのか、固定利回りとモンテカルロ(1,000試算)の両方で比較しました。教育費・住宅ローン・介護費・退職金など、条件は3パターンともそろえています。違いは退職タイミングと、退職後の働き方だけです。
パターンA(ともに完全退職):夫58歳・妻56歳で、ともに仕事を完全に辞める パターンB(夫が2年延長):夫は60歳まで働き、妻は56歳で完全退職 パターンC(妻がパート継続):夫は58歳で完全退職、妻は56歳で一度退職した後、65歳の年金開始までパート収入(手取り120万円/年)を継続
| パターンA | パターンB | パターンC | |
|---|---|---|---|
| 58歳時点資産(固定利回り) | 1億4,240万円 | 1億3,695万円 | 1億4,623万円 |
| 90歳時点資産(固定利回り) | 1億6,854万円 | 2億3,081万円 | 2億72万円 |
| 資産枯渇率(モンテカルロ・1,000試算) | 23.8% | 15.3% | 13.5% |
| 90歳時点資産の中央値(モンテカルロ) | 9,758万円 | 1億4,492万円 | 1億2,644万円 |
資産シミュレーターで分かったこと

まず目を引くのは、58歳時点の資産にはそれほど大きな差がないという点です。3パターンとも1億3,000万円台後半〜1億4,000万円台で、退職タイミングの違いによる差はそれほど大きく見えません。
ところが90歳時点まで試算を伸ばすと、状況が変わります。パターンAが1億6,854万円なのに対し、パターンBは2億3,081万円。夫がわずか2年長く働くだけで、32年後の資産は1.4倍近くに広がりました。これは、2年分の収入が増えるだけでなく、その分だけ資産を取り崩す期間が短くなり、複利の効果が長く働くためです。
破綻確率(モンテカルロ・1,000試算)で見ても同じ傾向が出ています。パターンAの23.8%に対し、パターンBは15.3%、パターンCは13.5%と、いずれも大きく改善しました。
一方で、この結果は「夫が長く働くのが正解」という単純な話ではありません。パターンBは数字の上では最も資産が残りますが、それは夫が2年長く働き続けることが前提です。パターンCも、妻が完全に仕事を離れず、パートという形で関わり続けることが前提になっています。どちらも、「どちらかが我慢する」という側面を含んでいます。
数字としてどのパターンが有利かは試算できても、それを夫婦のどちらが引き受けるか、あるいは引き受けないかは、計算の外側にある価値観の話です。資産シミュレーターで分かるのは、あくまで「それぞれの選択肢を取った場合にどうなるか」という事実であり、どれを選ぶべきかまでは示してくれません。
自分たちの場合を試算する
今回のケースはあくまで一例です。世帯年収や資産額、子どもの人数、住宅ローンの有無によって、結果は大きく変わります。
資産シミュレーターでは、夫婦それぞれの年収・退職年齢・NISA/iDeCo/特定口座の残高を個別に入力できます。「うちの場合、どちらがいつ退職するとどうなるか」を、実際の数字で確認してみてください。
- 入力は5分程度
- データはブラウザ内で処理され、保存されません
- 配偶者の年収・口座残高・退職年齢を個別に入力可能
よくある質問
Q. 夫婦の口座は、必ず分けて入力する必要がありますか?
A. 分けて入力したほうが精度は上がります。特にNISAは個人ごとに生涯投資枠(1,800万円)が設定されているため、世帯合算のまま入力すると、この枠を超えているかどうかが正しく判断できません。
Q. 妻(または夫)がパートで働く場合、収入はどう入力すればいいですか?
A. 資産シミュレーターでは、配偶者の収入イベントとして、期間と金額を指定して追加できます。「56歳で一度退職し、65歳までパート収入がある」といった設定も可能です。
Q. 世帯年収が同じなら、内訳(どちらがいくら稼ぐか)は結果に影響しませんか?
A. 退職所得控除の計算に使う勤続年数や、NISA/iDeCoの生涯枠は個人ごとに判定されるため、内訳によって結果が変わることがあります。特に、どちらかの退職金や勤続年数が大きく異なる場合は、世帯年収が同じでも試算結果が変わる可能性があります。
まとめ
- 共働き夫婦のFIRE計画では、「世帯としてどうか」だけでなく「誰が、いつ、どう働くか」という視点が欠かせない
- 同じ世帯資産からスタートしても、退職タイミングの組み合わせ次第で、将来の資産にも破綻リスクにも大きな差が出る
- NISA・iDeCoは個人ごとの制度なので、夫婦それぞれの残高で管理したほうが精度が上がる
[PR] NISA口座開設先の一例として、松井証券の情報はこちら
今回試算に使った中村さん夫婦のケースは、note版「中村夫婦のFIRE計画」シリーズとして近日公開予定です。
