[PR] 本記事にはアフィリエイト広告を含みます。紹介する内容は、シミュレーターの計算前提や比較検討の一例であり、特定の商品・サービスを推奨するものではありません。
子育て世帯がFIREを目指すとき、最大の不確定要素のひとつが教育費です。「公立中心なら大丈夫」「私立に進ませたいけどFIREは諦めるべきか」という声をよく見かけますが、実際に資産形成にどれくらいの差が出るのかを具体的な数字で見たことがある方は少ないのではないでしょうか。この記事では、教育費シミュレーターと資産シミュレーターを使い、進路パターンの違いが将来の資産額や資産が尽きるリスクにどう影響するかを試算します。単純な総額比較だけでなく、**教育費が家計を圧迫する「時期」**にも注目します。
この記事の結論
- 教育費は進路パターン(公立中心か私立中心か)で総額が大きく変わる
- 総額だけでなく、複数の子供がいる場合は「教育費が重なる時期」の年間負担がFIRE計画に効いてくる
- シミュレーションすると、進路パターンによって将来の資産額や資産が尽きる確率に大きな差が出る場合があることが確認できます
- 教育費シミュレーターで自分の場合の総額・ピーク時期を試算し、資産シミュレーターのライフイベント機能で資産推移への影響まで確認できます
教育費はいくらかかるのか(一般論)
大学だけが山になっている進路と、小中高からずっと高い進路。この「続く年数」の違いが、後半の資産シミュレーションで大きな差になります。
進路パターンによる総額の違い
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」や日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」などの統計から、子供1人あたりの教育費(学校教育費+学校外活動費、幼稚園から大学まで)は、進路パターンによって大きく変わることが分かっています。オール公立に近い進路と、私立中心の進路とでは、総額で数百万円から1,000万円以上の差が生まれるケースもあります。
「総額」だけを見ていると見落とすもの
教育費を語るとき、多くの記事は「大学卒業までにいくらかかるか」という総額に注目します。しかし、家計にとって本当に重要なのは総額そのものよりも、その費用がいつ・どれくらいのペースで発生するかです。特に、きょうだいが複数いる家庭では、それぞれの教育費がピークを迎える時期が重なることで、単年の負担が跳ね上がるケースがあります。この「重なり」は、総額の比較だけでは見えてきません。
FIRE計画における教育費の位置づけ
FIRE(経済的自立)を目指す場合、教育費は「支出の変動要因」として資産形成計画に組み込む必要があります。年間生活費を一定と仮定してシミュレーションすると、教育費のピーク時期に想定以上の取り崩しが必要になり、その後の資産の回復力に影響が出る場合があります。特に早期退職を検討している場合、退職時期と教育費のピーク時期が重なるかどうかは、資産寿命に影響する要素になり得ます。
まずは60秒で、お子さんの教育費が「いつ・いくら」かかるか確認してみてください。
資産シミュレーターで検証する
今回は、共働き夫婦・子供2人(3歳差)のケース(翔太58歳・美咲56歳で退職、積立額は翔太NISA70万円+特定口座35万円=105万円/年・美咲NISA75万円/年)をベースに、教育費シミュレーターで算出した3つの進路パターンの教育費を、資産シミュレーターの「ライフイベント」機能にそのまま反映して試算しました。積立額は「共働きで積み立てを続けていたものの、ゴールを明確に決めていなかった」という設定をそのまま踏襲しています。
なお、大学費用は私立文系・自宅通学を想定しています。理系や一人暮らしの場合は、教育費シミュレーターでさらに高い金額になります。
平均値ベースの試算 vs 1,000通り試算の違い
資産シミュレーターには、想定利回り通りに資産が推移するとした場合の「固定シナリオ(平均ケース)」と、市場変動を1,000通り再現する「モンテカルロシミュレーション」の2つの見方があります。固定シナリオは「平均的に見ればこうなる」という目安であるのに対し、モンテカルロシミュレーションは「実際には市場が良い年も悪い年もある中で、資産が尽きてしまう確率はどれくらいか」を示してくれます。この記事では、58歳退職時点・90歳時点の資産額(固定シナリオ)と、モンテカルロシミュレーションでの資産が尽きる確率(MC破綻率)の両方を見ていきます。
モンテカルロ・シミュレーションは乱数を用いた1,000試行の結果であり、実行のたびに数%程度の変動があります。以下に掲載のMC破綻率は本記事執筆時点の一回の試行結果であり、目安としてご覧ください。
具体例:パターンA/B/Cの比較
※今回は翔太58歳・美咲56歳退職という、比較的早い退職条件で試算しています。退職年齢が遅くなれば、教育費のピークと退職後の取り崩し期間が重なりにくくなるため、破綻率はこれより下がる方向に変わります。
| パターンA(オール公立中心) | パターンB(私立中心) | パターンC(大学のみ私立) | |
|---|---|---|---|
| 58歳退職時点の資産額 | 14,246万円 | 8,176万円 | 13,675万円 |
| 90歳時点の資産額(固定シナリオ) | 16,863万円 | 0万円(86歳で枯渇) | 14,975万円 |
| MC破綻率(1,000通り試算) | 24.5% | 72.7% | 29.3% |

パターンAとパターンCを比べると、大学だけを私立にした場合、58歳時点の資産は571万円、90歳時点の資産では1,888万円(16,863万円→14,975万円)減っています。この金額自体は決して小さいものではなく、大学の学費が家計に与える影響は着実にあります。
しかし、パターンCとパターンBを比べると、小中高から私立にすることで58歳時点の資産はさらに5,499万円減り、固定シナリオ(平均的なケース)であっても86歳で資産が尽きるという結果になりました。同じ「私立を選ぶ」という判断でも、大学だけを私立にした場合と、幼稚園〜高校から私立にした場合とでは、資産への影響の大きさが数倍規模で変わってくることが、この比較から見えてきます。
つまり、教育費が家計に与える影響は、大学費用よりも、幼稚園〜高校まで10年以上にわたって積み上がる私立教育費の方がはるかに大きい、ということが今回の試算から見えてきます。
ここで注目したいのは、資産差を生んでいるのが「支払った教育費の金額そのもの」ではなく、**その期間、本来投資に回せたはずのお金を回せなかったという「運用機会の逸失」**である点です。大学の費用は4年間で完結するため、運用機会を失う期間も限られます。一方、幼稚園〜高校の私立教育費は10年以上にわたって年間の積立余力を削り続けるため、複利で資産を増やせたはずの期間そのものが長く失われます。パターンC・B間の教育費差そのものに加えて、この「運用機会を失っていた年数」の長さが、90歳時点の資産差(5,499万円)をさらに押し広げる要因になっていると考えられます。
なお、単年で見ると私立中心のパターンBで最も負担が重いのは、幼稚園〜高校ではなく52歳時点(年間386万円)です。これは子1・子2の大学在学期間が重なる唯一の年であり、かつ子2の大学入学費用が計上される年でもあるためです。ただし、この単年のピークだけを見ると「やはり大学が一番大変」という印象になりますが、90歳時点の資産に最も効いているのは、この一時的なピークよりも、40歳〜48歳にかけて10年近く続く258万円〜355万円という高原状態の方だと考えられます。
破綻確率・資産寿命の読み方
モンテカルロシミュレーションによるMC破綻率も、パターンA(24.5%)→パターンC(29.3%)→パターンB(72.7%)の順で悪化しており、固定シナリオの資産額の傾向と一致しています。パターンBは固定シナリオ上ですでに86歳で資産が尽きており、モンテカルロシミュレーションでは1,000通りのうち7割以上で90歳までに資産が尽きるという、かなり厳しい結果になりました。「平均的には大丈夫そう」という固定シナリオだけでなく、モンテカルロシミュレーションまで確認することの重要性が、この比較からも見て取れます。

今回の試算で分かったこと
今回の試算条件(共働き夫婦・子供2人、翔太58歳・美咲56歳で退職、積立額は翔太105万円/年・美咲75万円/年)では、シミュレーションすると、90歳時点の資産額はパターンAで16,863万円、パターンCで14,975万円、パターンBでは**0万円(86歳で資産が尽きる)**という結果になりました。
特に注目したいのは、大学だけを私立にしたパターンCでは90歳時点の資産に一定の影響があったものの、幼稚園〜高校から私立にしたパターンBでは固定シナリオ(平均的なケース)であっても資産が尽きてしまった点です。教育費は「総額」よりも「何年間、家計にのしかかり続けるか」で資産形成への影響が大きく変わる、という本記事の見立てを裏付ける結果になりました。
モンテカルロシミュレーション(1,000通りの市場変動を再現した試算)で見た資産が尽きる確率(MC破綻率)も、パターンAが24.5%、パターンCが29.3%、パターンBが**72.7%**と、同じ傾向を示しています(この数値は乱数を用いた1回の試行結果であり、再実行すると数%程度変動します)。これは中央値としての結果ではなく「1,000通りのシナリオのうち何%で資産が尽きたか」という割合です。パターンBでは7割以上の試行で資産が尽きており、市場変動を考慮すると家計としてはかなりリスクの高い状態にあることが分かります。
ただし、これはあくまで今回設定した一つの家計条件・利回り想定における試算結果です。収入・生活費・積立額・資産状況が異なれば、結果は大きく変わります。
自分の場合はどうなるか確認する
ここまでの試算は一つの条件例に基づくものです。お子さんの人数・進路の希望・現在の資産状況によって、結果は大きく変わります。
まずは教育費シミュレーターで、お子さんの教育費が「いつ・いくら」かかるかを確認してみてください。学年やステージごとの公立/私立を選ぶだけで、30秒ほどで試算できます。
その上で、資産シミュレーターの「ライフイベント」機能に、教育費が一番かかる年の金額を入力すれば、ご自身の資産推移にどう影響するかまで確認できます。データは保存されず、その場で試算が完了します。
教育費が一番かかる時期に備えるには、その前の期間にNISAなどの非課税制度を活用して資産形成の土台を作っておくことも有効です。[PR] NISA口座開設先の一例として、松井証券の情報はこちら
よくある質問
Q. 教育費は今回のシミュレーションの数字通りになりますか?
A. 教育費シミュレーターの数値は、文部科学省・日本政策金融公庫の統計データに基づく概算です。実際の費用は、お住まいの地域・学校・塾の利用状況などにより変動します。
Q. 私立中心の進路だとFIREは諦めるべきですか?
A. 条件によって結果は異なります。教育費の総額が大きくても、他の支出を調整したり、教育費のピーク時期をずらす工夫(進学時期の前倒し貯蓄など)によって、資産形成への影響を抑えられる場合があります。資産シミュレーターで具体的な条件を試算してみることをおすすめします。
Q. 子供が2人以上いる場合、何に注意すればいいですか?
A. きょうだいの学年差によっては、教育費のピークが重なる時期が生まれます。教育費シミュレーターでは、この重複期間を年次グラフで確認できるので、資産計画を立てる際の目安にしてみてください。
Q. 塾や習い事の費用も含まれていますか?
A. 教育費シミュレーターの計算には、学校教育費に加えて学校外活動費(塾・習い事等)も含まれています。ただし学校給食費は、生活費に近い性質のため含まれていません。
Q. 教育費はいくら貯めれば安心ですか?
A. 世帯収入・資産状況・進路の希望によって異なるため、一律の正解はありません。まず教育費シミュレーターで進路パターンごとの総額とピーク時期を確認し、その金額を資産シミュレーターに反映して、ご自身の資産計画への影響を確認することをおすすめします。
まとめ
- 教育費は進路パターンによって総額が大きく変わり、複数の子供がいる場合はピーク時期の重なりにも注意が必要です
- シミュレーションすると、進路パターンの違いが将来の資産額・資産が尽きる確率に大きく影響する場合があることが確認できます
- 教育費シミュレーターと資産シミュレーターを組み合わせることで、ご自身の条件での試算が可能です
教育費は避けられない支出ですが、事前に「いつ・いくら必要か」が分かれば、資産形成への影響を抑える準備はできます。まずは教育費シミュレーターで教育費が一番かかる時期を確認し、ご自身の資産計画に反映してみてください。
